相続で山林を引き継いだものの、「どこにどれだけあるのか、正直わからない」という方は少なくありません。地番も地目もよくわからないまま放置していると、将来の売却や相続手続きで大変な思いをすることになります。
自分名義の土地・山林を漏れなく一覧化するための手順と、使うべき公的書類をここでわかりやすく整理しました。難しい専門知識がなくても、順を追って進められる内容です。
もくじ
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名寄帳だけで全部わかると思っていたら要注意
自分名義の土地一覧を作るとき、まず頼りになるのが名寄帳です。
市町村の税務課が、固定資産税の納税者ごとに土地・家屋をまとめた帳票で、所在地・地目・地積・評価額などを一覧で確認できます。専門家によると、多くの自治体で窓口や郵送で取得でき、手数料は1通数百円程度が目安とされています。
ただし、注意点があります。
名寄帳はあくまでその市町村内の情報しか載っていません。
別の自治体に土地がある場合は、そちらにも別途請求が必要です。また、非課税の土地や共有持分が記載されないケースもあるため、窓口では「非課税資産も含めてすべて出してほしい」と一言伝えるのが実務上のポイントです。
固定資産税の納税通知書を見て「これだけが全財産」と思い込んでいると、山林の一部を見落とすこともあります。一覧化の出発点として名寄帳は有効ですが、それだけで完結するわけではない点は覚えておいてください。
自分名義の土地一覧を作る、4つの手順
大まかな流れを整理しておきます。
手順1:手元の書類を集める
固定資産税の納税通知書・課税明細書、相続関係の書類、古い売買契約書や測量図など、手元にある資料から所在地・地番・地目をリストアップします。ここが調査の出発点です。
手順2:市町村ごとに名寄帳を取得する
土地がある(あると思われる)自治体の税務課に請求します。遠方の場合は郵送対応している自治体もあります。複数の自治体にまたがる場合は、それぞれに個別の請求が必要です。
手順3:登記事項証明書で照合する
名寄帳で把握した地番をもとに、法務局で登記事項証明書を取得します。所有者名・住所・持分が自分と一致するか確認してください。「住所はわかるけど地番がわからない」という場合は、法務局や市区町村の資産課税課に地番照会をすれば教えてもらえます。
手順4:山林なら林地台帳も確認する
山林がある場合は、市町村の林務担当窓口で林地台帳の閲覧ができます。自治体によっては無償で閲覧できるところもあります。林地台帳には森林の位置・所有者情報などが記録されており、名寄帳や登記情報と合わせて確認することで、全体像がより正確に見えてきます。
一覧表に入れておきたい情報はこれだけ
調査で集めた情報は、表にまとめて管理するのが後々便利です。
最低限入れておきたい項目は、所在地・地番・地目・地積(面積)・共有者の有無・評価額・取得経緯(相続・購入など)あたりです。
「地番と住所は別物」という点は、特に混乱しやすいところです。住所(住居表示)で登記を調べようとしても、そのままでは検索できません。専門家の解説によると、この点で手が止まってしまう人が多いため、わからなければ法務局か税務課に確認するのが確実です。
自力でできる範囲と、専門家が必要な場面
持っている土地が少なく、自治体も1〜2か所に限られているなら、自力での一覧化は十分に現実的です。名寄帳・登記事項証明書・林地台帳を組み合わせれば、かかる費用も数千円程度に収まります。
一方で、次のような場合は司法書士・土地家屋調査士・行政書士などへの相談を考えてください。
- 相続が複雑で、共有名義や持分が入り組んでいる
- 複数の都道府県に山林が散在している
- 登記名義が先代・先々代のままで、相続調査が必要になる
専門家への費用は案件の難しさや事務所によって差があるため、まず相談のうえ見積もりをもらうのが安心です。
まとめ:まず「名寄帳を取る」から始めてみよう
自分名義の土地一覧を作るのは、難しい作業ではありません。
最初の一歩は、土地がある市町村の税務課に名寄帳を請求すること。
そこから地番がわかれば、登記情報の確認へと進めます。山林なら林地台帳も合わせて確認すると、より正確な全体像が見えてきます。
売却や相続の予定がなくても、今のうちに一覧を整えておくと、将来の手続きがずいぶんスムーズになります。放置した山林が「所有者不明」に近い状態になってしまう前に、できるところから動いてみてください。

